脳の神秘と人間性を探る1冊

脳のなかの幽霊

脳のなかの幽霊という本は、脳科学者のヴィラヤヌール・ラマチャンドラン博士が、

自分の研究や臨床経験をもとに、脳の不思議な現象や障害について語ったとても有名な1冊です。

 

この本を読まずして、脳は語れない、

誰もが宇宙や身体に興味を持ち、

さらに身体の中で最も神秘的な臓器が"脳"。

 

事故や病気で手足を失うと、無いはず手や足がまだあるかのような感覚が残ります。

幻肢と言います。厄介な事に、その幻肢に痛みがあるのです。

無いはずの手が痛むのです。幻肢痛と言います。

その幻肢痛、無いはずの手足の痛みにどうアプローチするか。

脳科学で斬新なアプローチに挑みます。

脳卒中後遺症の麻痺手のアプローチの原点、

ミラーニング、ミラーセラピーの原点。

 

本書では、幻肢や身体感覚の錯乱、左右半球の分離、自己認識の喪失など、脳の構造や機能に関するさまざまなトピックが取り上げられています。

ラマチャンドラン博士は、これらの現象を「脳のなかの幽霊」と呼び、それらが人間の心や意識にどのように影響するかを解き明かそうとします。

 

脳科学の専門的な知識を持たない一般読者でも楽しめるように、わかりやすく説明されている点です。また、ラマチャンドラン博士は、自分の実験や治療法を紹介する際に、患者さんや被験者さんのエピソードを交えて、人間味あふれる物語として展開していきます。そのため、本書は、脳科学だけでなく、人間性や倫理にも関心がある方におすすめです。

 

脳の不思議さや奥深さを感じさせるだけでなく、自分自身や他者との関係性を見つめ直すきっかけにもなります。脳のなかの幽霊は、私たちが誰であるか、どう生きるべきかを問いかける1冊です。