脳と身体の関係を冒険しながら探る1冊

脳の迷路の冒険

モーシェ・フェルデンクライス著、安井武

壮神社発行

 

「脳の迷路の冒険」は、運動発達と脳機能の関係を探求した、フェルデンクライスの代表的な著作です。

すごく古い本ですが、大好きな本です。

ボディワーク、PTOTSTのリハビリ職に限らず、身体に係るすべての職種の方ににおすすめです。

 

脳卒中後の片麻痺患者である女性を通して、

運動学習のメカニズムや脳の可塑性について考察されています。

医療従事者にとって、リハビリテーション運動療法の理解を深め、

患者との関わり方を考える上で貴重な示唆を与えてくれる1冊です。

 

脳の可塑性と運動学習の関係:

脳卒中によって損傷を受けた脳は、適切な運動刺激によって機能を回復することができる。


感覚と運動の統合:

動きを改善するためには、感覚と運動の統合が重要である。


自己観察と意識の重要性:

自分の動きを客観的に観察し、意識的にコントロールすることで、より効果的な運動学習が可能になる。

リハビリテーションプログラムの構築:

フェルデンクライスの原則に基づいた、感覚と運動の統合を重視したリハビリテーションプログラムを構築することが重要である。


患者とのコミュニケーション:

患者の状態やニーズを丁寧に把握し、患者自身が主体的に取り組めるようなコミュニケーションを心がける必要がある。


自己研鑽:

脳科学や運動学に関する知識を深め、常に最新の知見を取り入れることが重要である。

 

フェルデンクライスは、ウクライナ出身のイスラエルの物理学者、柔道家、教育者として、自分自身の身体の問題を克服するために独自の方法を開発しました。

その方法は、フェルデンクライス・メソッドとして知られています。

 

「脳の迷路の冒険」は、医療従事者にとって、脳の可塑性と運動学習の関係、感覚と運動の統合、自己観察と意識の重要性、個別指導の重要性について理解を深めることができる貴重な1冊です。

リハビリテーション運動療法の理解を深め、患者との関わり方を考える上でのヒントになり、医療従事者の皆様にとって参考になれば幸いです。

 

また、フェルデンクライスの言葉は、科学的な知識と哲学的な洞察力を兼ね備えています。

彼は読者に、自分自身の可能性を広げるために、新しい視点や実践を試してみることを勧めています。

フェルデンクライスメソッドについて詳しく知りたい方や、自分自身の身体と向き合いたい方におすすめです。

この本を読むことで、フェルデンクライスメソッドがどのように人々の健康や生活に役立つかを理解することができます。